たまにはこんな事もある。
「ヤマト！匿ってくれ！！」
央に居るはずの大だが、こうして北方に来るのは着任して１年も経たないのにあまりの多さにヤマトは途中で数えるのを止めてしまった。
「大…また抜け出してきたのか？」
「違うって！トーマが…」
「大！」
追いかけてきた相方に、大は慌ててヤマトの後ろに隠れた。と言っても隠れきれていないが。
「ヤマト。相変わらず美しいな」
「お前なぁ…昨日も同じセリフ言ったぞ…んで、今度は何だ？」
「いや、大と賭をしてね。僕が勝ったんだけど逃げ出してしまって…」
「…勝った条件は何だ？」
一月前も同じような事が。その時は確かメイド服。その前はナースにあとセーラー服、もう数え切れない。
「いやぁあの…まぁその」
やけに濁すトーマがとっさに後ろに回した何かをヤマトは目ざとく見つけて。
「トーマ、出せ」
ヤマトの紫かかった青い瞳に睨まれて、逃げられるはずもなく。
トーマは渋々ヤマトにの前に見せた。
ばさっと広げた着物は見たことのある柄で。
ヤマトの拳が怒りに震える。
「召還、草薙の剣！」
呼び出した剣で着物を滅多切りにして消滅させた。
「ヤマト、何をするんだ！」
「何する、じゃねぇ！大、お前はこっちこい！」
顔を真っ赤にしているヤマトに、大は頭に？を浮かべる。話に付いていけてない。
そこへタイミングが良いのか悪いのか。太一が通りかかる。
「太一！」
「うわっ、はいっ」
ヤマトの剣幕に姿勢を正す。
「お前等当分夜は別々だ！いいな！」
目の前で閉められた扉の音の大きさに、太一とトーマは肩を竦めた。
「トーマ…何やった？」
「え、いえ。太一さんから頂いた着物…ヤマトに見られてさまいました…ごめんなさい…」
「ばっか、お前あれ見せたのかよ！っちゃ〜」
数ヶ月前にプレイの一環でヤマトに着せた物だ。ちゃんとデータ処理して清めてるので綺麗ではあるのだが。ちなみに他もすべて使い回しだったりする。
閉ざされた天の岩戸を開くために、頭を抱える太一とトーマだった。
つづき＞＞
2006.8.8
ギャグ。友達への活力に即興で書いたもの。眠すぎて意識朦朧としていた割には欲望に忠実な自分が怖い…（汗）