たまにはこんな事もある。２
「太一さん。いつも疑問なんですが、どこで調達してるんですか？」
案内された先、太一の専用の隠し部屋には所狭しと並べられた服の山。しかしどれもが自分ではなくヤマトに着せる為にある。
男のロマン、コスプレ。着せる衣装はどれも凝ったものばかり。しかし太一は現在まだＤＷから出れないはずなのに、なぜにこんなに色々持っているのか。トーマの疑問はもっともだ。
「あぁあれな…」
太一をさえぎるように上空から聞こえた声。空から飛んでくるのは。
「タ〜イチ〜」
「おっ来たな」
「テリアモン…健良の…？」
大きな耳を羽代わりにふわふわ降りてきたテリアモンを、太一は手を伸ばして受け止めた。
「はい、今回の依頼の品だよ〜」
「サンキュー♪」
テリアモンの小さな手にはさらに小さなＳＤカードが。
「それは…」
「今回はジェンの力作だよ〜♪」
ニヤリと、太一は口の端を上げた。デスクに差し込んで実体化させれば。
テリアモンが自分のことのように自慢するが、それだけのことはある。
「さすが健良。いい仕事するなぁ」
白地に大量の藤色の百合をあしらった浴衣。帯は濃紺で白の牡丹が鮮やかに咲いている。
確かに色の白いヤマトに合いそうだ。
「もしかして、これ全部…？」
「すげーだろ♪」
空になったＳＤカードに太一はこの地区にしか取れない鉱物をインストールした。健良の研究対象に値するもので、お金代わりに使用している。
「また頼むなっ！」
「モ〜マンタ〜イ」
来たときと同様、テリアモンは耳を大きく広げてふわりと飛び立った。
浴衣を広げてにんまりする太一に。
「僕も頼もうかな…」
トーマはぽつりつぶやいた。
「どわっ」
「どうした、大？」
その頃、大は走る悪寒に恐怖を感じていたりして。
2006.8.8
ジェンは太一さんにとって共犯者。光子郎はストッパーとしての役割はあるけどジェンは太一よりの人間なので、二人画策すると行くとこまで行っちゃうって感じ。トーマは新参者だけどやはりタケル（ヤマトもだけど）と親戚だから結構図太く暗黒神系希望、お間抜けさんだけど（笑）