SEED　QUEST〜Fields of hope 4.5〜




「ステラも一緒にはいるの！」
　ここのお風呂は広い上に露天もある。客も来ないのに何故と問われれば動物たちも来るそうで。
　一人で入るのは寂しいのも分かるが、かと言って一緒に入るわけにもいかない。

「師匠ならま、いっか」

　えええ！？
　娘可愛さにシンをいつも虐めるキラが。
　目に入れても痛くはないほど可愛がっているステラを。
　別な男と一緒に入ることを許可するなどとは！
　阿鼻叫喚のアスランとシンを後にして。
　今回はステラのお話です。





　一人でお風呂はつまらない。皆と一緒が楽しい。シンが一緒だともっと嬉しい。でもキラはダメって言うの。
　そうしたらポップが一緒に入ってくれるって。
　先に入ってなさいって言われて中に入ると桧のお風呂。窓の外には露天があって大和の家によく似てた。
「よく暖まれよ〜」
　扉の向こうからポップの声が響いて聞こえた。
「入ってるよ〜」
　ポップの声は優しいの。キラとおんなじで安心する。ポップはキラの“お義父さん”だからなのかなってステラ思うの。
「ほえ〜」
　カラカラカラって扉が開いてポップが入ってきたんだけど、ステラ驚いちゃった。
「なんだよ、ステラ」
「ポップの肌色白〜い！つるつる〜！」
　ネオは体中傷がいっぱいで、アスハのパパは毛がいっぱい！それで二人とも筋肉モリモリで面白いの！ヤマトのパパは戦士じゃないからそんなにすごくないけどいっぱい遊んでくれる。水鉄砲が上手なの。ステラは特訓中です！
　キラは痩せてるの。でも鍛えてるからお腹割れてるんだよ。ちょぴっとだけど。
　シンは…どうなんだろう？
「ステラはシンと何処で会ったんだ？」
「シン？シンはねぇ…」
　協会につれてかれてネオとマリューがいなくて寂しかった。周りの大人も怖い人ばっかり、イヤで逃げて、そしたらシンが剣の練習してたの。それで泣いてたステラを慰めてくれた。
　どうして練習してるのって聞いたら、強くなりたいんだって。魔物に、お父さんとお母さんとマユを殺されたんだって。だから強くなって倒すんだって。
　でね、ステラを守ってくれるって約束してくれたの。
　いいこといっぱいあるよって言ってくれて、そしたらキラが来てくれたの。
「ステラ嬉しかった」
　森の動物さんたちとおなじ優しい瞳だったから。先生たちの目は暗くて嫌い。ステラのこと見る目が怖いもの。
「そっか…」
「ポップ？」
　一瞬だけポップの顔が厳しくなった。ステラ言っちゃいけないこと言ったかなぁ。時々アレンにいけませんて怒られるの…。
　怒られるのかなって不安に思ってたらポップが何でもないよって頭撫でてくれた。
「ステラはいい子だな」
「ポップ？」
「お前は思うまま生きればいい。それはきっと誰かの助けになるから」
「？」
　ポップの言った意味はよくわからなかったけど、撫でてくれる手は暖かくてステラの心もぽわって暖かくなった。髪も洗ってくれたんだよ。ラクスみたいに気持ちよくて、ちょっと眠くなっちゃった。
「ポップ大好き！」
「俺もステラのこと大好きだぜ」
「一緒ね」
　大好きな人がたくさんいます。また増えました。
「皆一緒。ず〜っとず〜っと一緒！」
　とても嬉しくて言ったのにポップは少しだけ悲しそうな顔してた。
　でもどうして？って聞けなかった…。

　かわいいパジャマ。ポップが作ったんだって。
　可愛いって言ってくれてうれしい。
　ありがとうって言おうとして気が付いたの。ポップの首筋に赤い痕がいっぱいあるの。よくよく見れば背中にいっぱい。
　大変！変な病気にかかっちゃ怖いの！
「キラ大変なの！ポップの体中、虫に刺されて真っ赤なの！治してあげて！」
「わ〜！」
　何でみんな顔を赤くして回れ右してるんだろう？怪我治せないよ？
　ボゴって音がしてそっちを向いたらポップがヒュンケルを殴ってた。
「ポップ、めっなのよ！」
　暴力はいけません。ルルーシュも言ってたんだから。
「ステラ、悪いのはヒュンケルだからいいんだよ？」
　大人の事情だからってキラは言うの、ステラわからない…
「痛いの痛いのとんでいけ〜」
　ステラがやると皆痛み無くなるって言ってくれるの。
「ステラはいい子だな…」
「？」
　ヒュンケルもポップと同じ事いう。ふうふだからかな？
　シンが明日ヒュンケルに稽古付けてもらうんだって。早く起きないとね。
　お休みなさ〜い。



_____________________________________________　 __　_　

子供の前で、いやぁね（笑）
次で終わり…そしたらギアスサイドだっ！
20071122