●お嬢様のたしなみ





　ある朝、ステラちゃんはルルーシュ様にお小言を喰らってしまいました。
　ルルーシュ様の目の前で、高い木の枝から飛び降りたのです。
　魔法使いではありますが、運動神経抜群なステラちゃんにはこの位、お茶のこさいさいです。
　しかし、運動神経が一寸アレなルルーシュ様にとっては、とんでもない事だったのです。
　ルルーシュ様は額に皺を寄せ、深い溜め息を吐きました。
　ステラちゃんは、キラ様に相談しました。
「気にしなくてもいーんじゃない？」
「ダメ！」
「じゃあ、誰かお手本にするとかは？」
　キラ様の素敵なアイデアに、ステラちゃんは嬉しくなりました。
　ステラちゃんの沢山ある夢の一つ、大人になったらラクス様の様な素敵な女性になって、キラ様の様な素敵な方と結婚する事です。
　つまり、ラクス様をお手本に！…と思ったのですが、其は最初からハードルが高すぎでした。
　もっと身近で、ステラちゃんが好きな女性。
「…アレンとリナリーの真似っこしてみよーかなぁv」
　時刻は丁度正午です。
　ステラちゃんは、足取りも軽く食堂へ向かいました。
「あら〜ステラちゃん、今日も可愛いわねv」(←あの食堂のオカマさん/笑)
「こんにちはvアレンとリナリーはもう来てる？」
「来てるわよ〜。ステラちゃんはお昼どうする？」
　ステラちゃんはにっこり笑いました。
「アレンと同じモノ！」
「…え゛？」



「ステラ…食べ過ぎだよ」
　コムイさんが難しい顔で、ステラちゃんの顔を覗きこみます。
　ステラちゃんは、ベッドの上でまるくなってうめいてます。
「うえーんっ！お腹痛いようっ」
　ステラちゃんが倒れたと聞いて、キラ様はすっ飛んで来ました。
　本来なら暴飲暴食を叱らなくてはなりませんが、ステラちゃんから事情を説明されると、怒れなくなってしまいました。
　誰かお手本にしたら？と提案したのは、他でも無いキラ様自身だったからです。
「キラ〜、お腹痛いよう〜」
「…すみません、あんまり苦い薬は出さないで貰えますか…？」
　しかし、よりによって何故このタイミングで真似っこするかな？！キラ様は、何だかトホホな気分でした。


終わり。

（askｻﾏ）
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20071118