●写真





「あれ？」
　アレンは床に落ちていた一枚の写真に手を伸ばす。
「誰だろう？」
　栗色の髪に印象的な翡翠の瞳の好青年にアレンは首を傾げた。
　落とし物を届けるために警備室へ向かう途中、廊下をうろうろしているルルーシュに遭遇した。
「どうかされましたか？」
「いや、あの…」
　挙動不審なルルーシュに、アレンはなぜかピンときた。
「あの…もしかしてこれですか？」
　写真を差し出すと先ほどまでの暗い顔が一転する。
　儚く綺麗な笑みを浮かべたルルーシュにアレンはドキリとした。
「ありがとう…大切なものなんだ…」
「いいえ、では失礼します」
　慌ててその場を離れた。
「あ〜ドキドキした…」
　以前ステラが言っていた言葉を思い出す。
「もしかして…あの人なのかな」
　ルルーシュの大切な相手。古い写真のようだが。写真の人物を思い出せばアークエンジェルにいた子犬そっくりで。
　アレンは思わず笑ってしまった。


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2007