SEED QUEST-Summer-




　梅雨の晴れ間の青空に夏の到来を感じるようになったここオーヴでは、梅雨明けと共に始まる夏祭りの準備で城下町のあちこちで賑わいを見せていた。
　王宮でも初日の儀式の進行や祭の間の警護だの、諸々の準備でそこそこ忙しく、人々が行き来していた。
　その一角で…

･･･････クズハ



　一番の賑わいを見せているのがここ、大和屋。お祭り名物温泉饅頭を作るのは子供たちの役目である。
「お、やってるな！」
　このときばかりは王宮にいてもする事がないカガリは手伝いに（邪魔しに？）くるのだ。
「カっカガリ！」
　一番器用につくるアスランだが、この時ばかりは不器用になる。
「アスランは不器用だなぁ」
　それはカガリお姉ちゃんが来たからだよ…。
　子供たちの心の声(笑)。
　それでも苦笑しながらもアスランは嬉しそうなので、子供たちは気を利かせてそっとその場から離れた。
　さてさて、その頃若旦那？キラは…

･･･････みちや



　若旦那は姉とは逆に王宮の一室に呼び出されていた。目の前には高官が虚勢を張って立っている。
　カガリの父であるアスハ家と何かと比べられ、然し今だ勝てた試しの無いセイラン家の人間だ。
　うだうだと言い訳じみた事を並べているが、つまりは『キラに』『隠密に』『速やかに』何とかしてくれ、と言うことだ。
「勿論引き受けます。ただ『速やかに』は約束できても、『隠密に』はそちらで揉み消して下さい」
　絶対に無理ですから。
　政府側もよーく判っていたのだろう。其でも渋々という風に了承した。
　こんな事になるなら、何を言われようとも自分が迎えに行くべきだった。キラは早足で王宮を後にした。セイラン家としても、アスハ家を出し抜こうとした手前、キラの通った後始末位は何とかしてもらわねばならない。
「山ひとつ吹っ飛ばしても、勿論何とかしてくれるよね…セイラン家？」
　とりあえず一度大和屋に帰って支度をせねば。
　セイラン家が祭りの特別招待客として密かに呼んだ、プラントの至宝。
「これっぽっちの身代金を良く要求してきたよね…盗賊風情が」
　死ねない事を後悔させてあげるよ…？キラは微笑んだ。

･･･････ask



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…１ターン目。どんな展開になっていくか想像もつきません（笑）
20060701