泡沫

「どうして…」

何時から歯車が狂いだしたのか。
彼と身体を重ねた時から…いいや。
あの試験で、出会ってしまった。


旅団を追っている最中だった。これから仲間と合流、というときに見つけてしまった姿…
大勢に囲まれている。
その中でどうして分ろうか？
いや、どんな中にいても自分は見つけることができる。
見つけてしまう。

心が…騒ぐ。


「クラピカ、どうしたの？」
行き成り立ち止まったクラピカにセンリツが声をかける。
「いや…」
「そう？」
意味深な彼女のセリフ。多分心音で分ってしまっているだろう。
だが、今はそれ所ではない。彼女もそれ以上の追及はしてこなかった。

唇をキっと結ぶと先に走り出したセンリツの後に続いた。
風にかき消されたのは…

あの人の

名前。





□　　■　　□　　■　　□　　■　　□　　■　　□　　■　　□　　■　　□





「ん？」
目の前に広がる行列は条件競売で集まった奴ら。
ダイヤ欲しさに集まったバカども。
ゴンに勝てる奴なんざいねぇ。
騙す事に負い目はない。生きるためにもっと汚い事もしてきた。

ふと向いた先で見たのは光に弾けた金糸。
「…！」
人が多くて顔までは見れない。
「くううっ！」
トンと音がして視線を戻せば、予想通りの結果。
「はい、残念でした〜」
「次の人ー」
再び通りに目を向けたが、もうその姿は無く。

まさかな…。

確かに、仕事でここにいるらしいが、そう簡単には会えないだろう。
極秘任務に入っているはずだから。

思い出すのは最後の夜、重ね合わせた躯体。
蘇る熱い想い…。

「会いてぇ…」

呟いた言葉は、
アイツには届かない。








2001.01.13-Shoko Hiro

トークトーク


ＴＶを見て思いついたネタです。
凄い短いですね（苦笑）
レオリオとクラピカ、早く再会して欲しい。
でもまだ当分無理なので。
ならば一目だけでも！と思い考えたものです。
でも若い二人ですから姿を見たら求めてしまうもの。
そういう意味では私は意地悪かもしれませんね（苦笑）。


ちなみに、裏に続き置いてます、くふふ…byみちや