七夕フェア第１弾



〜遠距離恋愛の法則〜



EPILOG













「そう、良かったわ」

サリーはそっと息をついた。

『タイミング悪ければ会えず仕舞いだからな。流石にそれはかわいそうだ』

笑みを浮かべる画面の向うの同僚は、少し寂しそうな顔を向けた。

その意味を、サリーはもちろん分かっている。

「ノイン」

『私は…大丈夫だ』

そう言ったノインの左薬指には指輪が光っている。

離れていても、自分達なら大丈夫だと。

二人の絆は切れることはないと。

周囲にも充分すぎるほど分っていることで。

「あ〜ぁ…良い男いないかしら〜」

サリーは冗談めかして言った。画面の向う側でノインが笑みを浮かべている。

そして彼女が手にしている物は、デュオの７月８日分の休暇届。

「まったくあなたも損な性格しているわね」

デュオがいないだけでどれだけの仕事がたまるのか。

それが１日も増えてしまうのだ、その皺寄せはもちろん上司に来る。

『お互いさまだろう？』

それはヒイロも同じこと。

「ふふっ」

しばらく近況などを伝え終わった後、少し空白の間ができる。



言葉にしたのはサリー。

「そういえば…」



サリーはクスリと笑った。

「何か似てるわね」

『あぁ』

ノインもつられて笑みを浮かべた。







７月７日は七夕の日。

年に一度、宇宙（そら）の天の川で織姫と彦星が再会する日−−−−−−




END




後記