嵐



嵐のため列車が運休になり足止めをくらったエドとアル。
「災難ね。運転の見込みは今日は無いそうよ」
「マジかよ…」
「宿ももう満室だって。どうする兄さん…？」
「う〜ん」
「君達さえ良ければ家に来るかい？」
------みちや　シリアスチック？にリレーバトンタッチよろしく〜（笑）

突然出された大佐の提案に、決定権のある兄はこの世の終りの様な顔をした。
「大佐の…？」
「いかにも」
「…面倒はごめんなんだけど」
「面倒？」
「昔の女と今の女が鉢合わせして人情沙汰とか、大佐に恨みを持つ人間が日替わりで命を狙ってるって聞いた」
ロイは笑った。
「誰がそんなねもはも無いことを？」
「匿名希望のヘビースモーカー」
------阿子　はいっ？！しかもシリアスチック？とっさに浮かんだのが既にギャグだったんですけど！(笑)時間がない！次ゆ儀さんよろしく！(笑)

「正直な告発をありがとう。私は部下の査定権利を持っている立場だと思い出したよ」
「…脅し？」
「さて？親切に泊めてやろうと申し出た誠意を疑われて、今更誰に何の脅しをかけると？」
「あー…うー…」
「大丈夫よ、エドワード君。野放しにしてよいと思わなければ、私が泊めているわ」
「中尉がそこ迄言うなら…アルもいる事だしな」
かくして、兄弟はロイの家に泊まる事になった。
------ゆ儀　既にシリアスじゃないよ(笑)

大佐の家は一人暮らしにしてはかなり広い。散らかってもないし。物がないから余計に感じるのかも。
「一時間くらいで出来るから適当にくつろいでいたまえ。」
「え、大佐が作るのかよ！？食べられるのか？」
「兄さ〜ん（汗）」
「失礼な。これでも一人暮らしが長いのでね。いやでもできるようになものだよ」
「ふ〜ん」
ちょっと安心。大佐の笑みがキモいほど優しげ。
「あぁ、地下に書斎があるから見てるといい。君たちならちょうどいい暇つぶしになるだろう。だがその奥の部屋には入らないでくれよ。公に出来ない書類が置いてあるのでね」
「は〜い」
バタバタ駈けてゆく子供たちに大佐はエプロンを腰に巻いてキッチンへ。
------みちや　本日の夕食はなんじゃらほい？重要書類てなんだろう？意味深(笑)よろしく〜なんか腹減った…

夕食は思ったより楽しいものだった。指令部からの帰りにしっかりと食材を買い込んだお陰で、出来上がりは普通の家庭料理よりも豪華な程だ。
(多分)育ち盛りのエドの為にメインは肉料理、それにスープとまだ暖かいパン、サラダ。食後にデザートまで出てきたときには、エドに言葉もなかった。
当たり前の話だが、それ専門の店の味や、例えば中央に行ったとき度々御馳走になったヒューズ夫人の手料理には劣るだろう。
だが少なくともエドにはこんな料理を作ることは出来ない。
------阿子　会話までたどり着きません・ギブアップ・(笑)

「ヘンな感じ」
「生だったかね？」
肉を頬張りながらエドワードがもぐもぐと言った為、ロイは自分の皿に目をやった。よい肉だったから多少の味付けをして焼いただけだが、断面に赤みは残っていない。
「いや…味がじゃなくて、何か…」
噛みしめながらエドワードは首を捻る。ロイとの食事は過去にもあるし、それが二人でも三人でも、もっと大勢の時もあった。
「んと…あんたん家に俺とアルがいるのもヘンだし、あんたが料理してんのもヘン。出来ないか、もしかしたら野戦料理みたいならとは思ってたけど、」
普通にうまい味、だからヘン。とエドワードは更に首を捻った。
------ゆ儀　ターッチ！ リレーは書きたい場面が回るかわからんし、どう転ぶかわからんてのもスゴいや(笑)

「ごちそうさまでした」
食器を片付けキッチンへ運ぶエド。
以外にも礼儀正しい。
「そのまま置いていてかまわんよ」
「でも」
「では洗ったのを拭いてくれるかね」
それほど狭くはないキッチンに三人。ロイさんが洗った皿をエドが拭いてアルがしまう。エドがしまう予定だったが届かなかったため。切れる前にアルがなだめてこの形に落ち着いた（爆笑）。
「湯を張ってある。今日はだいぶ冷えるからな、よく暖まるといい」
言われて風呂に入る。考えるのは先ほどまでのこと。
「こうやって誰かに作ってやったのかな…」
突然ガタンと窓が鳴る。
何考えてる！エドは慌てて体を拭いて出た。
------みちや　豆姫ヤキモチ焼きさん♪なんとなくＢＧＭトトロ（笑）携帯忘れてしまったため遅くなった！（苦笑）次よろしく〜

もやもやとしたものが消えないまま、とりあえずエドは風呂から出た。脱衣所で服を身に着けていると、突然目の前が暗くなった。
「え？」
天井を見上げると、明かりが切れている。暗がりの中手を伸ばしスイッチをいじるが、カチカチと音ばかりで一向に状況は変わらない。
穏やかな空気に忘れていたが、外は嵐だったのだ（笑）
「停電？」
エドは慌てて飛び出す。すると丁度アルが、小さなろうそくの明かりを持って兄を迎えに来た。
「あ、兄さん平気だった？」
「丁度出たところだったからな…大佐は？」
「心配だから司令部へ行くって…」
------阿子　パスです（笑）

入浴中は水音に紛れていたし、食事中も結局は騒いだりレコードがかかっていたりで、外の様子は気にしていなかった。
「見に行くって…」
しっかり鎧戸も閉められていた窓を開くと、途端に強風が吹き付けてきて、鼻先でもの凄い勢いで窓が閉ざされた。開くか開かないか程度だったのに、雨も吹き込んでいる。
「こんな中、どうやって…」
床の水たまりに、エドワード呆れた。この様子では自動車も出せないし馬車も無理だろう。大雨で川の堤が決壊した時の事を思い出し、エドワードは昼間着ていた服に着替え始めた。
「何してんの兄さんっ」
「俺も行くんだよ、この街って雨に弱そうだ」
「そんな、遭難しちゃうよっ」
引き留める弟を説き伏せて、兄弟は嵐の中に飛び出した。
------ゆ儀

大佐の住処はすこし高台に位置してる所にある事にしよう！ゆるいカーブを下った先では踝辺りまで水が浸かる。シークレットブーツでだと…１０センチくらい？(爆笑)
「何だよこれ！」
町を潤す唯一の川は標準水位を大きく上回って川沿いの店は床上浸水。水の勢いで露天のテントが流されていた。
「うわっ」
「兄さん！危ない！」
水に足を取られて流されそうになって慌ててアルが持ち上げる。足がぶらぶら。端から見たら間抜け(笑)
------みちや　後よろしく…

「オイコラ、何だこの格好は（怒）」
「そんな事言ってる場合じゃ無いでしょ、兄さん（汗）」
「そうだった」
この街は東方の軍事中心地だ。軍人の姿ががここそこに見えるが、如何せん事態に付いていけていない。土嚢を積む事や、激しい風雨の中的確に動く事、それは実地でなければ経験値を稼げない。
そうこうしている間に水位はエドの膝あたりまで上がってきていた。
「ヤバイぞ」
------阿子

「大佐か、そうでなくても指導できそうな位の…」
「見あたらねえよっ！たく大佐の野郎もこんな事態を通り過ぎていきやがって（怒）」
「別の道を通ったのかも知れないし、大佐がこんな処で足止め食ってたら街全体を見る人がいなくなっちゃうよ」
エドはアルにぶら下げられたまま、二人は風に負けないよう大声で叫びあう。
「千里の道も一歩からって言うだろ！」
「兄さんそれちょっと違う…」
階級の高い軍人はいないかと目をこらすが、司令部に集まっているのか、安全な家にこもっているのか見あたらない。
「こんな時にアームストロング少佐がいれば頼りになるのにっ」
「少佐…兄さん！少佐だよっ」
「え、どこだ」
きょろきょろしたエドに、アルが慌てて言う。
「違うよ、兄さんが少佐相当でしょ！」
「あ？…ああ！」
エドはポンと手を打った。
------ゆ儀　ぱぱ愛の登場、退場

しょうがねぇな！やってやろうじゃん」
手をパンっと叩いて、アルが手を離した瞬間手を伸ばしてそのまま水の中、地面に手をつく。川岸に沿って高さ５ｍほどの堤防が。等価交換で使った道路は窪んで小さな河が出来てるし(笑)。
「よし！このまま行くぞ！」
「おい！誰に許可を得てやってるんだ！」
事態に気づいた警官たちが走ってくる。子供が！てな勢いで言ってきたのをエドが腰に掛けている銀時計を掲げた。
「俺はエドワード・エルリック！国家錬金術師だ！今ここを担当している責任者は誰だ！？」
「はっ鋼の錬金術師…殿！」
「マスタング大佐の…」
「ああぁ」
敬礼をしつつも怪しげな噂話をする者何人か。
------みちや　やだね〜緊急事態だってのに。周りの状況に判断できない人間ているんだよね。結局はそれまでの人間なんだけど(笑) だめ〜眠い！ネタが出ない（汗）とりあえず町改造計画(笑)

一方その頃東方指令部では。
在中していた人間が右往左往しながら、指令官――つまりマスタング大佐の到着を待ちわびていた。大佐の直属の部下であるホークアイ中尉を除いた面々は残っていたが、いつでも出れる準備は出来ても出動？は出来ない。
その時、指令部中に満ちていたざわめきに変化があった。混乱の色が動きのある呼び声に。
「待たせたな」
雨具から滴る水もそのままに、やっと大佐が到着したのだ。
軽口を叩くものはいなかった。
「やるべき事は分かっているな？」
「イエス・サー」
「行け、」
「お待ちください、大佐！」
やはりびしょ濡れになったホークアイ中尉が息を切らして駆け込んできた。
「街中の川の増水は、突如現れた巨大な壁によって防がれました。ただ」
「壁？」
「その壁によって、街が分断されています。つまり向こう岸に行けません」
------阿子

「…壁は、どちら側の岸にあるのかね？」
「高台側です」
「やってくれたな」
東方司令部裏を流れている川は、イーストシティで現在増水中の川だ。司令部自体は街の中心部を外れた、どちらかと言うと高台側に属しているが、川が氾濫すれば被害は免れ得ない。
「対策の練り直しだ」
苦い声に、一同の緊張が高まる。
一時的に氾濫の危機は防がれたが、壁は川の流れや高台側の排水事情を考慮していないだろう。思わぬ地域に川の流れがねじ曲がってぶつかって被害が出たり、準備のない高台側で浸水が起きる可能性もある。
「…の…」
ロイにぼそりと呟かれた名は聞き取れなかったが、善意から出た行為でも、問題が起きれば責任を取らされるだろう事は確実だった。
------ゆ儀

無駄口叩く阿呆どもにキレかかるエドだが、壁が出来てない上流側数十メートル先、蛇行している外側？部分（何て言うか忘れた〜（汗））から溢れた水が作られた壁を削り始める。イズミさんなら一回に縦横頑強な壁を作るの造作もないけどエドの力じゃ壁は横に数メーターほどが限度。まだまだだね(笑)。
「国家錬金術士が少佐相当の地位を与えられていることは知ってるな！」
「はっ！」
相手が子供でも上官には従わなきゃいけないんだよね。
「河の増水に気をつけて補強が必要な場所を確認し報告！！危険と思われる場所の住民を…集合場があったな、そこを開放して避難させるんだ！」
「はっ！」
エドの迫力におじさん方慌てて動き出す。
「兄さん、いくらこちら側守っても向こう岸の被害は大きくなるだけだよ！？」
「向こうは大丈夫だよ」
「兄さん？」
「あっちには司令部がある。大佐がいるから」
大丈夫と強く頷いたけど、何処か表情は不安化で、瞳は寂しい色をしていることに、兄さんは気づいていないのだろう。
「素直になればいいのに…」
聞こえたら逆上していただろうが幸い雨と風で本人には届かなかった。
よかったね〜(笑)
------みちや　またなんて難しい所で…とりあえず知能無いなりに考えるだけ考えてみた(笑)。アルが二人の仲応援してる！

幼いころに見た師匠の軌跡のようにはいかないのを実感しつつ、エドは脆くなった堤を補強していった。しかし場所柄これ以上厚くは出来ない。そして川に沿って長く長く伸ばしてゆくのも無理だ。
――雨はまだ止みそうも無い。エドの全身は濡れそぼり、あの家で過した数時間の方が夢だったのでは無いかと思えるほど、疲れていた。
そして十何度目かの錬成をその手で成したとき、意識がそれた。足を滑らせ、堪えきれず尻餅をついたのだ。
「…兄さん？！」
「大っ…丈夫だ！」
――何故か無償に会いたかった、声を聞きたかった。

その時、視界の端に決して雨では無いものが映った。
「え？」
堤の向こう高台から、幾つもの白い筋のように放物線を描きエド達の頭上を通りすぎて消える。アルも気付き、声が上擦る。
「兄さん、アレもしかして照明弾？」
「大佐だ！」
------阿子　照明弾って雨の中でも使えるのかな…（汗）イメージは腐海でのナウシカなんだけどf^_^;雨でも平気なのは大佐の焔系で強化してあるとか…（汗）難しいわ（汗）増水は雨さえ止めば多分1日位で引くよね(by先日の静岡集中豪雨)

階級を示す色の後、エドへの指示が続けて打ち出される。
「まどろっこしいなもう！」
慣れていないエドには、軍特有の略語や符丁がわかりにくい。手近の軍人に自分の解釈があっているかいちいち確認した。
「大佐め…」
照明弾も限られているだろうに、さり気に嫌みが含まれていなくもない。しかし、イーストシティの地理に詳しくない兄弟にとって、指示はありがたかった。
「アル、水の抜け道を作るぞ！」
------ゆ儀　豆、珍しくタダで働いてんね(笑)

「まだあるようです…あっ」
「あんのバカっ！」
流石のエドでもわかった暗号…メッセージ。恥ずかしいったらありゃしない。しかもピンクで(笑)
「何だったの？」
分からないアル。
「うるさ〜い！」
「エルリック少佐！住民の避難完了しました！！」
「よし！今から行うことの指示を出す！」
「はっ！」
生き生きしだしたエドの表情。不謹慎ながらもドキドキが止まらないアル。
「アル！俺たちも行くぞ！」
「うん！」

んで対岸。
「いいんすか、大佐…」
ホークアイさんがいたら確実に銃構えてましたね(笑)
双眼鏡を覗くフュリー。見える先で赤い固まりがパタパタ動き出した。
「エドワード君動き出したようです」
「よし、我々も行くぞ！」
------みちや　どう抜け道造るのか任せた！！人目をはばからないいちゃいちゃカップル(爆笑)

大佐からの照明弾の内容は、最後の個人的な通信を除けば二つ。
ひとつは突然現れた堤防のお陰で、このままでは救援に向かう予定だった軍部の本体が動けないこと。
もう一つは、これからエドワード達がどう動けばいいのか指示。
「…それが水の抜け穴なの、兄さん？」
「あぁ」
水は高きから低きへ流れる。それは絶対的な自然の法則だ。それなら溢れた水は、？…どこかへ落してやればいい。
「でも、こんな都会にそんな場所はないし、俺達の錬金術でもそんな大穴造れない」
「…うん、其処までは解る」
「それじゃどうすれば良いか？…つまり水を導いてやるのさ」
------阿子　何処によ？！間違ってるかな…(汗)うわ〜ん

成功するかどうかは賭けの世界になってしまうが、落とし込んでやる場所が一つだけあると言う。
「昔の下水道？」
「そ。市街図出して確認してもらった。イーストシティって、昔は今よりも低地側にあったんだと。それが、大地震があって町が崩れたらしーんだな。下水設備なんかも散々。直そうって話もあったんだけど、司令部が出来たり、駅のお陰で繁栄の中心地がずれてきて、いっそ街を少し移動するかってことになったらしい」
市街図から多少外れた旧区画をぐりぐり指で囲んでエドは説明する。
壊れたのを放置してある訳だから、まともに使える可能性の方が低い。しかし一時凌ぎにはなる。
「問題は…そこまでの道をつけてやらなきゃ、なんだよ。この大通りなんかピッタリだけどな」
エドがなぞったのは、司令部にも程近い街の大通りだった。
------ゆ儀

「ここから道を造って水を、ここの旧下水道に向けて流す。」
町を流れる川は大きなＳ字になっていて、縦に大通りが通っている。その道に沿って川向こうにある今は使われていない下水道へ水を流そうという。エドたちのいる市街地はほぼ真っ二つになるのかな？川向こうは大佐たちが準備する手順になってる…でいいかな。
道半分ほどで膝に来た。一睡もしていないし街灯も嵐で電線が切れたのか辺りは真っ暗。神経を研ぎすませながらの作業じゃ負担は倍増するわな。
後少し。そうすればその先では大佐たちが準備を整えて待ってる。
あと一回で…。
その頃入り口に当たる道の補強と壁を支えていたアルたちだが、水の勢いが強すぎた。
「もう…保ちません！」
壁が崩れて、水が勢いよく流れ込む。
間一髪水から逃れたアルたちだが。
「兄さーーん！！！」
「エルリック少佐！上流側の壁が崩壊しました！水が流れ込んできます！早くこちらへ！！」
無線で連絡を受けたエド側の警官さん。しかし意識がすでに朦朧としているエドには聞こえてません！ピンチ！！！
水が側まで迫る！
最後の錬成が成功、橋を通して向こう側への道が通った。瞬間濁流がエドを襲う！！
『終わったら一緒に帰ろう』
大佐の声が聞こえたような気がした。
「エルリック少佐ーーー！！」
------みちや　さあエドどうなっちゃったのでしょうか？ただじゃ終わらせないよ、あはは。でも一日悩んでこれかぁ…想像力足りない…バトンタッチっす。補足もよろしくです…

それは目を奪われる光景だった。肥大した濁流が、勢いはそのままに目に見えて引いていく。もうとっくにその存在を諦めていた橋さえも、辛うじて原型をとどめたまま水から浮き上がってきた。
既に軍部は動いており、橋が残っているのを確認するや、早速強度の確認及び補強作業に入っていた。
「エドワード君、上手くやったみたいですね」
ホークアイですら厳しい表情を和らげたというのに、ロイはその厳しい眼差しを変えない。
「…大佐？」
「残念ながら中尉。鋼のの辞書に『上手く』の文字はあっても『要領よく』という文字は無い」
いつもいつも無茶ばかりするのだ。確に心配するなという方が無理だろう。これにはホークアイも沈黙せざるを得ない。
そうこうしている間に、対岸の堤防の一角が消え、そこから大きな人物が表れた。橋があるのに気付くと、真っ直ぐ走り因るが続いて追い掛けてきた人間が飛び付いて止めている。
「大佐…あれは…」
「弟の方だな」
その時、対岸から真っ直ぐに錬成時の輝きが走り、ロイの足元でそれは通信菅の口の形をとった。
『お願いです！誰か、マスタング大佐を呼んで下さい！誰か！！』
------阿子　間一髪って…豆軽く流されてましたけど(笑)でもクライの話にはあったよね、壊れた無線機…。ゆ儀さん…メル小説だと、無に容赦無いよね…トビコメって…(笑)

「兄よりは要領を心得ていますね、呼ばれていますよ」
「確認すべき点はそこではないがな」
皮肉の一つでも言い合わなければ、互いに感じ取った、ただならぬ事態に顔を見合わせてしまいそうだった。
「アルフォンス君、何があった？」
『大佐！堤防が決壊して、兄さんがっ』
どうにか事態を説明しようと試みているが、その数語で十分だった。
「流されたんだな？」
落ち着き払った声が、アルを苛立たせる。兄は大佐にとっても大事な存在だと思っていたのに。
『兄さんを助けて下さいっ！』
「言われなくても」
返事に、アルは自分の思い違いを悟った。落ち着かなければ、手だても講じられない。
「巻き込まれたのは鋼のだけか？」
『あ…わかりません、済みません』
「では伝言を頼む。他に被害者がいないか至急確認の上、報告せよと。ハボック小尉とブレダ小尉がそちらへ向かった」
『はいっ』
何かする事を与えておけば弟については安心だ。
「さて…」
まともにいっても既に旧下水迄流されきっているだろう。生きていればいいが…ロイは声には出さずに、エドの名を呼んだ。
------ゆ儀　長くなりすぎたからここでお終い(--;

『こんなことで死なれちゃ困るんだよね〜』
誰かの声を聞いたような気がした。
「ここは…」
高い天井の隙間から光が注がれてる。いつの間にか雨も止んで日が昇ったようだ。
「確か…水に流されて…」
あの勢いのままならここは旧下水道になるはずだけど…
「どこまで流されたんだろう…」
とても人工的に作られた下水道には見えない。自然に作られた地下空洞。足下は細く緩く水が流れる。
水の流れを逆行すれば元の場所につくだろうけど、この先になにがあるのか気になる。好奇心が勝ち、導かれるように何かが待つそこへと足を向けた。
------みちや　なんとなくイメージは腐海の地下空洞＋パズーとシータが飛行石で降り立ったポムじいさんがいた鉱石場？段々変な展開になってゆく〜はっはっは〜(笑)　ちなみに最初の声は山口さ〜ん(笑)

「つか此処何処だよ…」
これまで長いこと色々旅してきたが、そのどこの場所とも違う。というよりぶっちゃけ別世界だ。
日は差し込んでいるが、天井がどういう状態なのか解らない。足元の瀬せらぎもエドが目覚めた時に一時濁っていたが、今や清流と言いきれる清らかさだ。
屈み込み、足元を探る。手の中に有るのはどう見ても白い砂だ。しかしその中に蒼い結晶の様なものも含まれている。
「此処って…ホント何処なんだ…？」
------阿子　みちやさんのイメージの通り？にやってみました(笑)

報告によれば、エド以外にも水流に飲み込まれた者が三名ばかりいるという。市民が含まれていないのが幸いだが、安心してはいられない。
捜索隊が組織され、その陣頭にはロイが立った。
「大佐、私情を差し挟まないで下さい」
ホークアイが厳しい顔で制止した。水が一時的に引いても嵐は未だ収まらず、川の流れはともすると市街の新しい水路になだれる。ここで指令塔を失う訳にはいかないのだ。
「私情だけで動きはしない。この状況下、錬金術師は有用だろう？」
他にも有利な点をあげれば、ホークアイも引き留め切れはしない。
「わかりました。連絡役にハボック少尉をつけて下さい」
渋々の了承の元に送り出され、捜索隊は市街へ繰り出した。しかし運よく旧下水にたどりつく迄に発見出来たのは二名。エドは含まれていない。
発破で陥没させられた下水口を見下ろし、ロイは顔をしかめた。
------ゆ儀

嵐はピークを過ぎたのか雨の勢いが無くなってきた。未だに降り続いてはいるが。上空の雲の動きが早い。時折真っ黒の雲の隙間から月と朝焼けが覗く。
「もう朝か…」
上から探しても埒があかない。大佐たちはがれきに注意して下水道へと降りてゆく。水の勢いはあるが、歩く分には影響なし。用意していた小さな松明に、指を鳴らして火をつける。今は使われていない旧下水道。空気が保持されているか、また天然ガスがこぼれていないか確認するにはちょうどいいので。
布切れや柱だったものだろうか、流れてくる。
「ひどいな、こりゃ」
無事でいて欲しいがこんな状況じゃ生きているのが奇跡なんじゃ…ハボさん口には出さないが内心で思う。ちらりと先頭を歩く大佐を見た。
鋼の、無事でいてくれ…
願いはただ一つ。
------みちや

気ばかりはやる。大量の水は土砂を含み、巻き込まれてしまえば脆弱な人間なぞ一瞬にして、死ぬ。
「…どうかしたんすか大佐？」
ハボックに指摘されるまで、ロイは自分が立ち止まっていたことに気付かなかった。
払っても払っても最悪の事態ばかり浮かぶ。ロイは眉をしかめた。
「大佐？」
「戻るぞ」
「は？」
ハボックを置いて、さっさと来た道を戻り始めてしまう。
「らちがあかない。一旦、司令部に戻ってこの辺り一体の古地図を出す」
------阿子

指令室に戻って資料を漁る。机の上は本の山。しかしめぼしい資料は出てこない。
「下水道に流れた水…どこ行っちゃったんでしょうかね」
過去の遺物だが、縦横無尽に広がる人工空洞。流れつく先は下流にいくつか分かれたうちの一カ所に流れ着くのだが、偵察に行った部隊の話を聞くと出口付近は過去に起きた地震のせいで穴がふさがっているという。では水は何処へいった？時間は過ぎ、いつの間にか朝を過ぎていた。時間が経てば生存率が下がる。焦りと疲労とが皆を襲う。
「おや」
ファルマンが開いた資料に過去の遺物を発見する。
「これは…！」
さっと目を通すと大佐は指令室から飛び出した。
「大佐！？」
「私たちも向かいましょう！」
建物から出ると嵐は過ぎ去って、太陽は熱く輝いて暑くなってきた。川の水は標準までは戻ってないが、道路の水は引いている。目的の場所の入り口は急下水道。車を飛ばす大佐。（鋼の…！）
------みちや　大佐男だねぇ。愛する人のために頑張ってくれや〜(笑)

★いう儀嬢旅行のため、ここから二人リレーです。★

その存在が記述してあったのは、歴史書の一冊だ。発行は今から百数十年前、イーストシティの中心が例の旧市街から新市街に移った頃。作者はロイやエドワード達の先達…つまり当時の錬金術師である。既に錬金術師としての第一線を退き、自分の故郷の都市の歴史をまとめたもので信憑性は高い。
それによると、このシティの下にはもう一つ街が――空間があるのだそうだ。かつて旧市街が大地震で破壊されたように、やはり大地の力で埋もれた都市が。その街は元々一部の地下を生活区域としていたため、今でも場所によっては光さえ差し込む。その光は青みがかり、聖別された、祝福された場所の様だったと文字は告げていた。
「なんでその人見てきたかの様に言ってんです？！」
「彼は見てきたんだ。例の下水道から通じる道があったらしい」
「エドワード君は其所にいると言うんですか？！」
「逆にもし其所に鋼のがいなければ、そんな場所がこの世にないのなら…」
エドワードはもはや生きてはいまい。
------阿子　待って（汗）過去の遺物って…（汗）

旧下水道入り口。歴史書は文章と僅かながらのイラストのみ。本人も偶然行き着いたのか詳細な地図は無し。
「五班に分けます。何かあったらすぐに待機場へ報告の事。また一時間後に集合。以上。捜索あたってください。」
「あれ、大佐は？」
使いものにならない大佐の代わりにリザさんが仕切っていたがいつの間にかいなくなっていた。
「エドワード君の事となると周りが見えなくなるんだから…」
リザさん深いため息(笑)。

（リザさんとアル同じ班ね）
「でもここって以前将軍の命で調べたけどそんな道なんて無かったよな…」
長く務めている何名かが声を潜めて話す。子供が偶然見つけた穴から入り込み大捜索された結果、すべての入り口は封鎖された。今回の一件で穴をあけなければそのままになっていたはずだった。まだ大佐が東方就任する前の話である。
「兄さん…」
「そこ、無駄口たたかない！」
「失礼しました！」
「信じましょう、彼の強運を…」
「ありがとうございます…」

水の流れはすべてこの下水道に流れているのでここしか考えられない。
水の流れる先を追って、下水道を走る大佐。何時しか人工物から自然洞窟に変わっていることに気づかないまま…
------みちや　どうする？その歴史書「そのもの青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし…」なんて載ってたら(笑)やった〜！二人が近寄ったよ〜！誰もじゃま出きんての、くっくっく。

「…お待ちなされ」
か細い声が、ロイを引き止めた。声の響くこんな場所でなければ、耳には届かなかっただろう。だが逆に此処は人が易々来れる場所ではない。視界の端に確認した存在するはずのない小さな影に、ロイは右手を突きだし身構えた。
「…誰だ？」
全身を黒い上着で隠したその人物は、ロイの露骨な警戒と殺気に笑った。
「ただの盲の婆じゃ」
「…」
「お前さん、青き道を辿っとるようだが、あそこに何の用だね？」
青き道を辿る？ロイは内心首を傾げた。よくよく辺りを伺えば、煉瓦(？)で作られていた下水道とはかなり様子が変わっていた。
「足元を見てみなされ。清き水が一条、流れておろう？それが道標なのじゃ」
------阿子　大地との絆は出来ないと思う(笑)起きてるよ〜ご飯食べてきた。大佐ってば動物…豆の気配がわかるの？！(笑)大婆様はエンヴィーで！(笑)ほら死なれちゃ不味いって言ってたし！(笑)

怪しく思うが、情報がなさすぎた。大佐は暫くして口を開く。
「金の髪の少年を探しにきた。ご存じないか？」


そのころのエド。たどり着いた先は所々崩れた聖殿？
「なんだろう、ここ…」
内部は光で反射していて明るい。水が所々から壁を流れる。広間だろうか、王座？の前に石碑。字は古代文字な為わからない。
「わかんね〜一体ここは何なんだよ…」
柔らかな光、清らかな水の調べ。眠りを誘うのは十分だったようで。
「ねむっ…」
こんな所で寝ちゃいけないと思いつつ、エドはそのまま眠りについた。
------みちや　ぎゃははは！慌ててトイレ駆け込んじゃった！！おはようござい。眠り姫だ(笑)エンは何を知ってるんだ！？よろしく〜♪

「子供…？」
「…ご存知ないか？」
「さて…自分の足で此処まで来た人間は、お前さんが久方ぶりじゃが…」
ロイは落胆しかけたが、それは一瞬だった。
目深に被ったフードに隠れ、その表情は口許しか見えないが、老婆は楽しそうに笑っていたのだ。
「迷子では…。水に流されたのです」
言葉遊びだ。試されているのか、それとも…。
「お前さんの子供かえ？」
「……違いますが…大切なヒト、です」
------阿子　みちやさん、挙動不振…(笑)ＷＣから笑い声なんて…怪談？(笑)神殿？！石碑？！ラピタ？滅びの呪文とかあるの？！エンヴィー遊んでるね(笑)

「この道は選ばれし者にしか導かれんよ」
「選ばれし者…」
「惹き合う者なれば、道は重なるじゃろうて。行きなされ」
杖の先の方で小さな光が見えた。
礼を言おうと顔を向けたとき、そこにはお婆さんはいなくなっていた。
「夢か、現実か。ふっ」
光に向かって歩きだした。
------みちや　ぎゃははは！またトイレだよ〜ん♪ワタルとデジ！さあさっさと帰るためにラストスパートかけるぞ〜！

談。
「ひーっひっひ」
「ちょっと煩いわよエンヴィー」
「おばさんおばさん、まだ時間あるよね〜vもちょっと遊んでこよーっと」
「ラストぉお腹空いた〜」
「ちょっと待ちなさいよ、エンヴィー！」

一度瞼を閉じてしまうと、あげるのが難しい。なのに妙に意識をはっきりしている。厄介な睡魔に取り付かれ、エドワードはもう指一本動かせなかった。
元々、徹夜だって雨の中走り回るのだって慣れてるのに…。歩いている間は気が付かなかったが、横になってこうして休んでいると、身体が痛みを訴えだした。
「………」
エドワードの口が微かに動いた。それは弱音だったのかもしれない。つい溢れた誰かの名前だ(笑)。

『そこの〜』
「ZZzz。。..」
『おっちーびーさぁーんv』
「誰が極小どチビかーっ！オラァ喧嘩売ってるなら高額で買ってやるぞーっ（怒）」
今まで指一本動かない…、等というのが嘘としか思えない反応だった。飛び起きたエドワードは、殺気の満ちた眼差しで辺りを見回す。
だが人の気配はやはりなく、声ももうしない。有るのは変わらず青い空間と――――。
「…―――！！大佐？！」
------阿子　にやってしてたら、お母さんが「にやにやしてんじゃないわよ〜(笑)」ってからかわれちゃった(>_<)くそう無豆め！(笑)

声をかけたが反応無し。
「大佐？」
いつのまに移動したのか大佐が映っている壁？が乱反射してミラーハウス？みたいな場所に変わっていた。石碑？は変わらずそこにあるが。
「何だよこれ〜！」
先ほどから分からないことばかり。
『ゲームだよ』
「誰だ！！」
聞いたことあるような声だが反射して分からない。
『あんたの男がさ〜ここ気づくかさ』
「鋼の！！何処だ！？鋼の！」
「大佐！！」
「ここではないのか…」
遠ざかる大佐。
『あの男がここまでたどり着いたらおチビさんの勝ち。出口を教えてあげるる。でもたどり着けなかったら…』
「着けなかったら…？」
『おチビさんの命を貰うよ』
「！」
『解放されるのを待ってたんだよね〜。生け贄を。孤独であればある程その魂は美味しい♪』
------みちや　準備、そろそろＯＫ？それじゃお知らせしましょ〜エンヴィーの無豆予報♪(笑)そう簡単に合わせてあげな〜い(笑)エンさん役者！！(爆笑)充電してなかったせいもあるが、二日も持たんのか…（汗）

「ふざけるな！」
『遊んでるだけだよ〜ん♪』
「てめ、大佐に指一本でも触れてみろ！死んだ方がマシな目にあわせてやるからな！！」
『ぎゃはは！強気だね！！』
------阿子　豆姫は強気でないとね♪短いけどみちやさんの反応が見たいんでパス(笑)

『何かって。何だろうねぇ』
大佐に向かってくる黒く長い針？
「なっ！」
間一髪避ける大佐。しかし上着が切れる。
「何処から…」
落ちてきた水滴が肩にかかる。とたんじゅっと服が溶ける。
次々くる攻撃に辛うじて交わすが見えない敵に翻弄される。
「大佐！！くそっ！」
手を叩いて壁に着くが何も反応無し。
「なんで…」
『この壁は特殊でねぇ』
その錬成陣は効かないよと。
『さて、オレも遊んでくるかねぇ』
「やめろ！！」
何度も錬成してトライするがやっぱり反応なし。
大佐は見えない敵に反撃を試みるが効果無し。紅蓮の炎が(笑)時々舞う。
「くそう…どうしたら…」
石碑がの文面が薄光を放っていた。
------みちや　はぁはぁはぁ、どうだ！次パス！！

ロイは神経を研ぎ澄ませながら、手早く息を整える。
「まさかこんな場所で、軍事訓練の様な事を、することになるとはね」
差し示された明るい方へ足を運んでみれば、其処は地下とは到底信じられない場所へ出た。さらに砂地に微かに残る小さな足跡を見つけ、歓喜の思いで辿っていたらコレだ。
「卑怯な攻撃が好きな相手の様だな…」
「大当たり〜」
突然発せられた肉声にロイは振り向いた。その視線のさきには、金の瞳に挑戦的な光をたたえ、酷く酷薄な笑みを浮かべた子供が。だがしかし。
「…誰だ？」
「あ、やっぱり判るもんだねぇ。一目見ただけで分かるのは愛故ってヤツ？！」
ケタケタと笑う声に、ロイは顔をしかめた。
「質問しているのは此方だが？」
「答える義理無いし。でも卑怯者vなオレサマは、良いこと教えてやろうじゃないか」
この身体は変装じゃなくて、借り物だよーん。
何処までも明るい声に、ロイは、キレた。
------阿子　エンヴィーの言い方がフォルテさんに思えてしょうがない…（苦笑）フォルテさんが相手なら大佐負けても仕方ないよね〜（笑）…という気にすらなるよ！(笑)あ、エンヴィーの豆モドキは勿論変身だす(笑)

大佐の炎を難なく交わしていくエン。
（何なんだ！？）
人在らざる動きとエドの姿を模しているためやりにくいことこの上ない。借り物ということは意識が奪われているということか？瞳に濁りが無いことが気になるが…。
少なくとも鋼のは彼？の手に落ちていることには違いない。
「焔の錬金術士の力はこの程度なんか〜？つまんないねぇ」
「くっ」
炎をぶつけて避けた所を間合いを一気に詰めて剣を喉に突き着けた。
「鋼のを返して貰おうか」
エンの顔に笑いが消える。暫くして笑みを浮かべるが背筋がぞっとくるような感じ。
「ご自由に〜」
体がぶれるように見えて驚いた大佐が剣を僅かながら引いてしまった。その隙にエンはその場から離れて霞むように消えていった。
『タイムリミットは後１０分だよ〜ん』
それまでに見つからなければおチビさんの命は貰う
その一言に大佐愕然。この限られた空間とはいえかなり広いこの場でそんな短時間で見つけることはできるのだろうか？
「鋼…の…！」
------みちや　も〜ロイさんにノロケられっぱなし！最高！！いや〜エンてばそうくるか！！

「あと１０分…」
上等だと、ロイは不適に微笑んだ。――内心の不安を隠して。


「畜生…」
エドワードはロイの姿を写した壁の前で、今の自分の無力さに膝をついた。
いかな術を持ってしても、この場から飛び出して行けない。自分の背後で石板は尚も青白く輝きを増していたが、文字が読めるようになったわけでもない。
錬金術が使えないだけで、こうも自分が無力なのかと。エドワードは鋼の右手を握り締めた。
「畜生…畜生！」
『あはは。愉しかったよ』
戻って来たらしい【彼】が再びエドワードに声をかけてきた。
『君の姿を模したダケなのに、手が出せないもんだねぇ』
「…！」
『あんなに弱点さらしてさ』
「…違う！」
『何が違うって？焔の錬金術師の弱点は鋼の錬金術師です、なんて面白いよねぇ』
「違う！…少なくともオレは！」
エドワードの姿をしているだけで、ロイの攻撃の手が緩んだ。それは確に戦場においては致命的なのだろう。しかし。
「少なくともオレは！それが弱ではない事を知っている！」
その時、エドワードがどんな方法をもってしてもヒビ1つ入らなかった壁が爆音をあげた。
それは、完全に【彼】の意表をついた。
爆音は更に何度か続き、辺りは黒煙に包まれる。
------阿子　あーっ、取り合えず一旦パスするね！どして無が豆の場所を見つけられたかのコジツケはやるから！

「中尉！！」
他の班はすでに戻ってきている。あとはリザさんたち１班だけだったのだが。
「兄さんだけでなく大佐まで！絶対におかしいですよ！」
「そうは言ってもなぁ…」
顔を合わせるハボックら。その顔には疲労の色が広がっている。
「やはり書いてあるように選ばれた者にしかいけないのでしょうか。それにしては基準が分からない…一体…」
リザさん瞳を閉じてから、まっすぐ前を向いた。
「１０分休憩後もう一度隊を送り込みます」

「どうしても兄さんが死んでるなんて思えない…」
アルの言葉にリザがそっと寄った。
「そうね。だから、迎えに行きましょう」
「ありがとうございます」
「時間だわ。」

隊が入りきった直後、大きな地震が。
「皆地上へ！！」
全員が避難し終わった直後、入り口が崩れ落ちた。
「そんな…」
「兄さーーーーんっ！！」
------みちや　アルと軍部書いてみた。だめだうまく話書けない(泣)

至近距離での爆発に、エドワードは本能的に目を閉じ身構えた。しかしその黒煙も熱も、障壁に阻まれ自分達のいる内側まで届きはしなかった。
【彼】が息を呑む気配が伝わる。
エドワードがそろりと目を開けると、黒煙の間にロイの姿があった。
違っていたのは、厳しい眼差しで真っ直ぐ見えないはずの障壁を、そしてその向こう側を見ようとしていたことだ。
ロイはつかつかと近寄り、爆発したはずの場所に手を伸ばす。障壁に触れるか触れないかの位置で一度指が弾かれ、改めてその存在を確認した。
「…大佐…」
エドワードから当然の様に見えるロイの姿は、逆にロイ側からは砂地の風景が広がるばかりの筈だ。
ロイは近寄ってきた時と同じ唐突さで、きびすを返してしまう。エドワードに背を向け、その場から少し離れた処で改めて障壁と向き合った。そして再度伸ばした右手には、軍支給の銃を構えていた。
「？！大佐！まさか、」
心臓の鼓動にも似た銃声が、立て続けにこの広い空間中に轟いた。次の展開が流石に読めず、エドワードはその場に身を臥せる。
銃弾の照準を一点に集中して放ったのだと、エドワードが理解したのは更にロイが行動を移してからだった。
ロイは弾の無くなった銃を潔く放り棄て、先程【彼】を追い詰めた時に使った剣を両の手で逆手に持つと障壁に突き立てたのだ。


不可視の壁は、音に生らない音を立て、粉ごなに砕け散った。途端、ロイの居た側からエドワードの側へ、風がきな臭い炎の匂いを運んだ。
「…たいさ…っ」
「…豆…」
「てめ、第一声が…！」
「良し！本物だな！」
隔てていたモノが無くなった途端、現れた様にしか見えなかったエドワードが本物だと――正気だと確認すると、ロイは彼の手を取り立ち上がらせた。
『アンタ、どうやって…！』
「答えてやる義理は無い！」
------阿子　ゴメ…(T_T)もう眠くて文章が…大佐は後で(地上に戻ったら)エドにちゃんと説明する予定です！今日はお疲れ様でした〜(笑)

『ま、いっか』
構えていたが拍子抜けする二人。
『結構楽しめたしねぇ♪』
「なっ！」
『今回は見逃してあげるよ。もともとイレギュラーで起きたことだしね』
二人を裂こうと思えばいつでも裂けるしね。
『またな、おチビさん♪焔の錬金術士殿！』
「誰がウルトラ豆粒じゃ！」
物騒な言葉を吐いて声は消えた。
「一体なんだったんだ！？それよりここからどうやって出るんだよ！大佐…」
エド振り向いた瞬間強く抱きしめられる。
「よかった…」
「大佐」
「水に飲みこまれたと聞いた時は生きた心地がしなかった」
大佐の弱点が自分。中慰がいつか言ってた。足を掬う存在になりかねないと…。絶対にそんなことにならない、させない。自分等の体を取り戻すためにももっと強くならなきゃいけない。
「ごめんなさい」
大佐の血が出ている頬にキスするエド。
「鋼の？」
にっこり笑うエドに大佐ため息つくと唇にキス。名残惜しげに離れて。
「さぁ脱出だ」
「どうやって？」
地下は逃げ道を失いやすい。だからどこかに地上に続く隠し通路があるはずだ。
「でもそんなもの…」
「鋼の。あれは何だ？」
視線の先は文面が輝く石碑。
「何か字らしきものが書かれてるんだけどわかんなくて」
覗いてみると古代文字。専門外なのでロイでも分からない。「ふむ」
所々砂を被っている部分を払うと文字が輝きだし、見慣れた文字に変わった。
「これは…」
先ほどから微震が続いていたが、その揺れが大きくなってゆく。上から砂や石が落ちてくる。
「二つの陣を重ね合わせし時、二人に道は開かれよう…これだ」
二人は同時に頷いて手を伸ばした。
------みちや　わ〜いやっとラブラブ〜♪大佐がヘタレ(笑)。さぁ逃げるぞ！おはようござい。昨日はお疲れ様でした。ネタもお疲れ様でした(笑)次解決編よろしく〜。

後から思えば、良くも実行したものだと。
錬成陣を二つ重ねるということ。それは前に中央でやった模擬戦闘とは、訳が違う。
ロイとエドワードの得意とする錬成は、その性質からして特別相対さない。国家錬金術師の銘がそのまま術の特性を表すのなら、二人の術は正に相剋。――火は金を殺すのだ。

「大佐さ」
「何だね」
見上げた空は青く青く、雲もあっと言う間に流されて行く。地上とは違い、上空はかなり風が強いようだった。
「どやって俺の場所解ったの？変な壁で見えなかったんだろ？」
「…まず第一に、【彼】の消え方が不自然に早かった事。試しにその方向に火の粉を飛ばしてみたら妙な手応えがあったんで確信した」
「結構いきあたりばったりだったんだな」
くっくっと、エドワードは笑った。
「銃を使ったのは錬金術ではあの壁は傷一つ付かなかったからだ」
「もっと脆い壁だったらどうするつもりだったんだよ？オレ死んでたぞ、きっと」
今度はロイが声をあげて笑った。
「君は私の手では絶対に殺せないだろうから」
「…頑丈って事かよ…」
「まぁ…好きに解釈したまえ」


二つの陣を重ねた時。何が起きるのかと思ったら、もう外界だった。その余りの突然さとあっけなさに、最初何がどうなったのか二人して状況がわからなかった程だった。
今、嵐の去った空を二人して地面に寝転んで見上げている。どっと疲れが出て梃子でも動きたくないし、エドワードに至っては今頃身体が痛みを訴えて来たようだった。

「でも困ったよな」
「…そうだな」
「此処って何処だか判んねぇの？東方はアンタの管轄地だろ？」
「見当はついてるんだがね。今は動きたくないな」
「…おっかしいなー、こんなに晴れてんのにさ…」
「晴れてるのに、何だと？」
見渡す限り、岩ばかり。岩の砂漠はとりあえず確実にイーストシティ近辺には無い。
「早く帰らねばな」
「あぁ。アルが心配してるだろうし」

二人が実際動き出したのは、もう少し先の事だった。
------阿子　眠い…(-_-;)


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