うたたね




..................................................................................



「ほら太一起きろ」
　優しい声に意識が浮上する。
「ヤマト…？」
「お前なぁせっかく集まってるんだから少しは相手してやれよ」
　あぁ今日は久しぶりに皆がそろって、こうして第三台場に集まれて…
　少し離れた場所で大輔がちらちらとこちらを伺うのが見えた。
　賢とタケルがそんな態度の大輔に苦笑する。
「お兄ちゃん！」
　ヒカリが手を振る。大輔の姿に見かねて助け舟を出したのだろう。子犬のような大きな瞳で見つめられたら誰だって手を伸ばしたくなる。
「ほら」
「あぁ」
　手を挙げて応え、傍らのヤマトへ微笑んだ。

　あれ？
　何か話しているのに聞こえなくなる。
　自分の声でさえ。
　ぼやける景色に、あぁ自分は元の場所へ戻るのだと感じた。
　ただ、ヤマトだけはずっとそこに…
　一時でも皆に会えた。
　それだけで十分。


　瞳を閉じ。そして開けば見慣れた天井。北方の、玄武の寝室。
「起きたか」
　いつも側にいてくれた、そしてこれからも共にいる半身。
「夢を見た…お台場の」
「そっか」
　先日産まれたばかりの赤ちゃんデジモン。彼らの元気な声にうつらうつらとした意識が昔の記憶を掘り起こしたのだろう。
「今日って…」
　デジタルの世界に時間の概念は無いけれど、だからこそ現実世界との繋がりを求めていたくて作った時計は。

「あぁ８月１日だ」



　あの輝く夏は、今日もまた訪れる---------


_____________________________________________　 __　_
今頃デジ。8/1はお台場で松井取締役と和田さんに会ってきました。握手できなかったのは残念。
デジ原点はやっぱり太ヤマだね。来年10周年だから気合入れねば！
20070920