たまにはのんびり休日。






　目覚めれば、太陽はもう既に大分上がっていた。
「ふぁ〜」
　思いっきり背伸びをすると、スザクは起き上がった。


「おはよう、ルルーシュ」
　階下に下りれば今日は店はお休みと、ルルーシュは窓際で本を読んでいた。
　スザクの挨拶に適当に相槌を打ちながらも、本から視線をそらす事はない。
　アメジストの輝きが別のところに向いていて、ちょっと残念だなと思いつつ、でも頁を捲る音が遅くなっているのはこちらへ意識を向けている事は明白で。嬉しくなる。
「お前、今日は学校いいのか？」
　まだ人間界の習慣に慣れていないルルーシュが、ぶっきらぼうに言葉を放つ。でも所々で心配してくれているのが分かるくらいには長い付き合いで。
　そんな優しさにスザクは思わず笑みを零した。
「なんだ？」
　不機嫌そうに歪められた眉に残念に思いながらも、それでも秀麗な顔はどんな表情も魅力的に写り、どうしても顔が緩むのを止められない。これ以上機嫌を悪くさせれば部屋に戻りかねないルルーシュに、スザクは必死で耐えながら本を読むルルーシュの側へ寄ると、大分時間もずれてしまってはいるが、習慣であるおはようのキスを送った。
　久しぶりにゆっくりとした時間をとることが出来て。ちょうど小テストの採点もあり、チェックをしていたら寝るのが遅くなったせいもあるのだが、何時もより寝入ってしまい、起きたら昼を回っていた。
　学校での仕事と、ここの所立て続けに起こったナイトメアの出現に、流石の体力バカのスザクでも気づかぬ疲労が溜まっていたようだ。
　今日は日曜日。世間ではお休みの日で、ユフィたちも休日を謳歌している。と言ってもナイトメアが出現すればそれもなくなってしまうが。でも今のところ出現する様子はなさそうだ。休日出勤はご免蒙りたいものである。
　窓際に陣取るチューリップの鉢植えは、ナナリーが置いていってくれたもので、気持ちよさそうに陽の光を浴びていた。

　抱き心地の良い身体はスザクの腕の中に収まっていたが、不意に抜けられ寂しさを感じてしまう。
「お腹空いただろう。何が食べたい？」
「ルルーシュ」
　ガン！
　即答した後間髪入れずに小気味よい音が響く。もちろんスザクの頭の中でもぐわんぐわんと響いている。
「っ…フライパンは反則技だよ、ルルーシュ！」
　後頭部をさすってスザクは涙目で訴える。今のは本気だ、本当に痛かった。
「バカなこと言ってないで」
　本音なのになぁと心の中でだけ答えて、現実では違うことを答える。
「半熟オムライスがいいな」
　了解と、嬉しそうにルルーシュが笑みを零した。

　まだ事態はよいとは言えないけれど。
　たまにはこんな穏やかな休日を過ごすのも良なと思いつつ。
　明日からの戦いに備えて。

　そんな風に思いながら、スザクは目の前に出されたルルーシュ特製半熟オムライスに手を伸ばした。

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…ギアスでプリキュア（笑）ナッツ＝ルル、ココ＝スザク。あはは。ＴＶ本編があまりのシリアスに反動が激しかった…。のぞみ＝ユフィ、りん＝コネ様、うらら＝ナナリー。自分の中で設定が膨らんでしまっているので…続き書くかも（苦笑）
20070422